安全・安定輸送の確保は、すべての事業展開の大前提であり、鉄道の原点であることから、当社は一貫して最優先に取り組んできました。具体的には、日本の大動脈としての東海道新幹線と、社会基盤としての在来線について、ソフト・ハード両面から様々な安全対策を進めることで、安全かつ強靭なインフラの構築を進め、日本の経済活動や社会活動を持続可能な形で支えています。
東海道新幹線開業以来、乗車中のお客様が死傷される列車事故:0件
会社発足以来の安全関連投資額(累計):4.4兆円
安全綱領
当社では、輸送の安全の確保に関わる社員の基本精神として「安全綱領」を定めています。これは1951年の京浜東北線桜木町駅における事故を契機として国鉄時代に制定されたものです。輸送業務は尊い人命と財産を預かるという責任ある重要な業務であるがゆえに、すべての社員がその職責の如何を問わず全力をあげて安全を確保し、特に人命については他の何よりも優先して守るべきという、心構えと道義的な自覚と態度が必要であることを具体的に表したものです。安全に関する様々な取組みの結果、特に東海道新幹線においては、1964年の開業以来、約68億人のお客様にご利用いただき、乗車中のお客様が死傷される列車事故ゼロを継続しています。今後も安全・安定輸送の確保を最重要課題として、さらに高いレベルでこれを実現できるよう、不断の取組みを進めていきます。
安全報告書(https://company.jr-central.co.jp/others/report)
安全に関する基本的な考え方
安全綱領の理念のもと、「安全に関する基本的な考え方」を示し、取り組んでいます。安全は「人」「しくみ」「設備」で守りますが、この土台となるのが、安全最優先の文化です。安全最優先の文化をしっかりと根付かせ、一人ひとりが安全最優先の行動を実践し、その上で、3つの要素である「人」「しくみ」「設備」の3本柱により安全を支える、ということを右図では示しています。1つ目の柱である「人」では、自らの意思で実直にやり遂げる力、リスクや変化を感じ、確実に対処する力、困難な状況に対応する力等を効果的な教育訓練により高めています。「しくみ」と「設備」の柱では、安全に関する正しい視点を持って現場の実態を的確に把握し、環境変化や他から得られた教訓から弱点を掘り下げることにより、ルールや取扱いといった「しくみ」の徹底・見直しを図り、予兆管理の手法を含めた新しい技術も取り入れた、より安全な「設備」への改善を進めています。この2本の柱を「安全に関する仕組み」として継続的に検証し強化しながら、「人」の柱とあわせ、より一層の安全確保に取り組んでいます。
2023年度の重点実施事項
運転事故防止対策及び労働災害防止対策を計画的かつ重点的に推進するため、年度ごとに重点実施事項を定めています。2023年度は、「ルールの全員遵守」「確認の徹底」「より質の高い教育・訓練の充実」「事前のリスク排除」「異常時における安全最優先の行動の実践」の5項目を重点実施事項に指定し、全社員一丸となって、ソフト・ハードの両面から、重大な運転事故及び労働災害の根絶に取り組んでいます。
安全管理体制
輸送の安全の確保に向けた業務体制
鉄道事業法に基づき、安全の水準の維持・向上を図ることを目的に、輸送の安全を確保するために遵守すべき事項を取りまとめた「安全管理規程」を2006年9月に制定しています。この規程において、輸送の安全の確保に関する業務体制と安全に関する管理者の責務を定めています。安全に関する主要な管理者の責務としては、まず社長が運転保安に関する重要な事項を決定することとしています。また、安全統括管理者、運転管理者及び乗務員指導管理者を指定し、それぞれの責務を定め、輸送の安全の確保に関わる本社内各長等の役割等を明確化し、一貫した体制にて安全対策の確立・推進を組織的に行っています。
安全に関する主要な管理者の責務
安全推進委員会
鉄道運転事故、労働災害及び災害の防止に関する事項等を重点的に審議し、効果的な対策を立案・推進するため、本社に鉄道安全推進委員会を設置して毎月1回開催しているほか、必要に応じ専門委員会を置き、それぞれの専門の事項を集中審議しています。また、鉄道事業本部や支社単位等でも、それぞれ安全推進委員会を開催しています。安全推進委員会で決定された事項は、地区安全推進検討会を通じて、現業機関の社員に周知・徹底しています。
安全監査
当社の業務機関及び関係会社を対象に、運転事故防止や労働災害防止に関する安全監査を実施しています。この安全監査は、法令、規程等の遵守状況の確認、運転事故・労働災害防止対策の徹底状況の確認、実態確認を通した運転事故・労働災害の未然防止という3つの基本方針で実施しています。監査では、現場や検査・工事等に関わる帳票類を確認することにより、日々の業務実態を検証し、結果を共有することで、法令違反、過去事象対策の風化、ルールの形骸化等を未然に防止するように取り組んでいます。
安全の確保に関する人材への取組み
安全を確保するためには、大前提として、安全を支えるための高い技術力や強い意志、正しい価値観を持つ人材の育成が不可欠です。人材育成をする上では、自らルールを遵守する「規律」、品質を維持・向上し事故を防止する「技術力」、関係する社員と連携・協力し、一人ひとりが責任をもってやり遂げることにより得られる「一体感」が大切であると考えています。これらに重点を置いて、社員の育成、教育訓練に取り組んでいます。
技量向上訓練
運転業務や設備保守に従事する社員等に対し、安全に関する教育訓練を実施しています。特に運転業務に携わる社員(運転士、車掌、指令員等)には、担当業務ごとに定められた内容・時間に基づいて教育や訓練を実施しています。また、運転士や車掌が異常時の取扱い等を模擬訓練できるシミュレータ装置を現業機関に導入したほか、異常時に迅速かつ正確に対応できるよう、実際の車両や線路等の地上設備を使用した様々な訓練を実施しています。
不測の事態に備えた社員教育
通勤や出張の際に不測の事態に居合わせた場合も、社員が職責をこえて乗務員等と一致協力し適切に対応できるよう、全社員を対象に教育を行っています。
異常時対応訓練
2022年度も大規模災害や不測の事態発生時にお客様の救済や早期復旧のため、技術力の向上や、系統間及び関係会社との連携を目的として実践的な訓練を実施しました。
各種研修
総合研修センターでは、実際の業務場面で発生する様々な事象を模擬できる各種訓練設備等を活用し、各職能に応じた専門的な知識・技能教育、各種資格の取得講習、車掌・運転士養成等を行っています。
安全のための設備投資
安全に関する設備投資については、会社発足当初から積極的に実施しており、東海道新幹線のATC(自動列車制御装置)の更新、在来線のATS-PT(自動列車停止装置)の全線区導入等の保安対策をはじめとして、耐震補強等の防災対策、電気設備改良、車両の新製取替、効率的かつ効果的な検査機械・システムの導入等、2022年度までの36年間に、総額4.4兆円を超える安全関連投資を行っています。2023年度についても、鉄道事業の原点である安全・安定輸送の確保を最優先に取り組みます。地震対策をはじめ構造物のさらなる強化に向け、東海道新幹線の脱線・逸脱防止対策について、脱線防止ガードの全線への敷設を進めるほか、プラットホーム上家の耐震補強、地震による駅の吊り天井の脱落防止対策や名古屋車両区検修庫の建替及び在来線の高架橋柱等の耐震化を進めます。また、ホーム上の可動柵について、新幹線では全駅への可動柵整備に向けて調査設計に取り組むほか、在来線では名古屋駅5・6番線(東海道本線下りホーム)及び7・8番線(中央本線ホーム)への設置工事を進めます。これらの取組みにより、新幹線、在来線及び関連事業への総設備投資額の約8割に上る1,930億円を、安全関連投資として計画しています。
安全関連投資額の推移
大規模改修工事
東海道新幹線
土木構造物は、日々の入念な点検・補修により健全性が十分に保たれています。しかし、将来は経年劣化による大幅な設備更新が必要になることから、東海道新幹線における、全国新幹線鉄道整備法に基づく新幹線鉄道大規模改修引当金積立計画について、国土交通大臣の承認を受けて2002年から引当金の積立てを開始するとともに、並行して小牧研究施設を中心に工法について研究を進めてきました。研究開発の結果、工事実施時の列車運行支障を大幅に低減し、工事費を大幅に縮減できる新たな工法を開発できたことから、当初計画を変更し、2013年度から工事に着手しました。工事は、経年によるひび割れ等の変状の発生自体を抑止することで構造物の延命化を実現する対策(変状発生抑止対策)を先行して実施し、必要により桁の取替といった全般的な改修(全般的改修)を実施することとしています。なお、2012年度までに3,500億円積み立てた引当金は、2013年度から年間350億円ずつ取崩しを行い、2022年度末にて取り崩しが終了しました。今後も施工方法の改善等によりコストダウンを重ねながら着実に工事を進めていきます。
踏切事故防止対策
在来線
在来線の安全性向上に向けて特に重要なのが、踏切事故防止対策です。踏切遮断機の設置や踏切障害物検知装置の整備等を推進するとともに、各自治体とも協議を進め、立体交差化等により踏切自体を廃止する抜本的対策も実施しています。また、踏切事故防止キャンペーン等の啓発活動にも積極的に取り組み、踏切事故防止に努めています。
踏切設備の改良
踏切は、付帯する設備により、遮断機及び警報機のある第1種踏切、警報機のある第3種踏切、遮断機・警報機のない第4種踏切の3種類に分類されます。
第3種踏切と第4種踏切は、道路交通量、鉄道交通量、踏切の周辺環境等を勘案しながら計画的に第1種踏切への改良等を進めています。
踏切数と踏切別の推移
踏切障害物検知装置等の設置
万一自動車が踏切を支障した場合に備え、赤外線またはレーザー光線で自動車を検知する踏切障害物検知装置や、遮断桿が降下していないことを検知する機能を設けています。これらの踏切では、異常を検知すると関係する信号機を停止信号にし、列車を踏切手前に停止させます。2022年度からは、歩行者、自転車、車いす等への検知性能を向上させたレーザー・センサ式の高機能型障害物検知装置を、列車本数が多く、歩行者や自転車等の通行量が多い踏切に順次導入しています。
また、踏切内に異常があることを運転士に知らせたい場合、ボタンを押すことで関係する信号機を停止信号にする非常ボタン(踏切支障報知装置)も設置しています。
障害物との衝突防止
踏切障害物検知装置等が異常を検知すると関係する信号機を停止信号にしますが、運転士による手動でのブレーキ手配を補完する「踏切用ATS装置」を2021年度より順次導入しています。
地震対策
東海道新幹線
脱線・逸脱防止対策
東海道新幹線では、地震時の脱線による被害拡大を防止するため、脱線・逸脱防止対策を推進しています。車両の脱線そのものを極力防止する「脱線防止ガード」の敷設等の対策を進めており、2028年度までに全線への対策が完了する見込みです。なお、万が一脱線した場合に、車両の大きな逸脱を防止する「逸脱防止ストッパ」は、当社管内を走行する全車両に設置済みです。
構造物の強化
地震時に長期にわたり新幹線が不通にならないよう、各種土木構造物や建物の耐震化等に取り組んできました。2021年度からはプラットホーム上家の耐震補強にも着手しています。
実施項目と進捗状況
一部の協議案件を除く
列車をいち早く止めるための取組み
地震時の揺れをとらえ、送電を自動的に停止し、走行中の列車に緊急停止指令を出す地震防災システム※を取り入れています。また、車両の「地震ブレーキ」の改良を行い、地震発生時における停止距離の短縮に取り組んでいます。2020年7月に営業運転を開始したN700Sは、ATCとブレーキシステムを改良し、停止距離をN700A3次車よりもさらに約5%短縮しました。
他社に先駆けて1992年に「地震動早期検知警報システム(ユレダス)」を導入した後も、2005年に「東海道新幹線早期地震警報システム(TERRA-S:テラス)」を導入し、また、2019年4月には海底地震観測網情報を活用するなど、警報の早期化等の強化を続けている。
東海道新幹線早期地震警報システム(TERRA-S:テラス)
在来線
構造物の強化
地震による影響を最小限とするために、各種土木構造物や建物の耐震化等を実施しています。また、新幹線と同様に、2021年度からプラットホーム上家の耐震補強にも着手しています。
実施項目と進捗状況
「ピーク時1時間あたり片道列車本数が10本以上の線区」及び「東海地震において強く長い地震動を受けると想定される区間」等について、対策を実施
列車をいち早く止めるための取組み
前述の地震防災システムの情報を活用し、地震時の初期の微弱な揺れをとらえ、影響が大きいと判断される区間の列車の運転台に警報を鳴動させ、警報を受けた運転士は直ちにブレーキをかけて列車を停止させます。さらに、2016年度から、沿線地震計の機能強化を進めてきた結果、従来よりも早く列車に警報を発信できるようになりました。
その他の自然災害対策
東海道新幹線/在来線
地震以外にも津波、大雨、台風、降積雪等の自然災害による事故の防止も安全対策の重要な柱の1つとして位置付けており、様々な対策を実施しています。
津波対策
在来線では、各自治体の津波ハザードマップをもとに、津波の到達が想定される区間を「津波危険予想地域」として定めています。津波の発生が予想されるときは、まずは「津波危険予想地域」へ列車を進入させない手配をとります。また、既に地域内にいる列車に対しては、地域外へ列車を移動させる、もしくは、お客様を安全な場所へ避難誘導するようにしています。併せて、その地域内には、避難すべき方向を示す「津波警標」を設置しています。さらに、乗務員に配布している在来線運転士用タブレット端末に最寄りの避難所までの避難ルートを表示させ、速やかに避難していただくための対策を実施しています。その上で、これらの取扱いが確実に実践できるよう、社員に周知徹底するとともに、地元の自治体とも連携して、実際の車両を使用した避難誘導訓練も行っています。
雨対策
盛土や切取区間ののり面にコンクリート等の防護工や、排水を促進するための排水パイプ、土砂の流入を防止するための土砂止め工の設置を行うなどの対策を実施しています。また、沿線に雨量計を設置し、雨量が規制値を超えると指令や駅等に自動的に警報を発し、列車を抑止または徐行させるなどの運転規制を行います。さらに、2020年6月には、土砂災害の発生危険度の把握に優れた指標である「土壌雨量」や局地的な集中豪雨をきめ細かく捉えることができるレーダ雨量を活用した運転規制を在来線全線区へ導入し、一層の安全を確保しております。
浸水対策
東海道新幹線では、鉄道施設で想定される浸水に対して安定的な列車運行を確保するため、重要施設である信号機器室や電源設備の移転・嵩上げ・止水扉等の設置、及び必要な車両検査機能を維持する対策を進めています。また、浸水被害が想定される車両留置箇所を対象に車両避難の計画を策定しており、被害が生じるおそれのある場合には、計画に基づき車両避難できるよう、定期的に車両避難訓練を実施しています。
風対策
山あいや橋りょう上等、風が集中する箇所や突風の発生が予想される区域に風速計を設置し、風速が一定値を超えると指令や駅等に自動的に警報を発することで、雨の場合と同様、警報により列車の抑止や徐行等の運転規制を行います。また、地理的条件等により、一部の風速計には基準を超える風が吹いたときに、自動的に停止信号を表示する機能を付加しています。
落石、なだれ対策
在来線では、落石やなだれが発生するおそれのある路線には、防護設備として落石止擁壁、落石覆い工、なだれ止擁壁等を整備しています。また、検知装置により落石やなだれが検知された場合には、列車を止めるなど、事故の未然防止に努めています。
雪対策
東海道新幹線では、降積雪時、列車の走行により舞い上がった雪が車両床下に付着し、塊となって落下してバラストを跳ね上げることで、車両床下の機器が破損することを防ぐため、速度を落として運転する場合があります。この対策として、ロータリーブラシ車で始発直前まで除雪を行い、特に雪が多い関ヶ原地区では、スプリンクラー散水で雪を湿らせ舞い上がりを防止しています。さらにN700Sでは台車カバーの形状を変更する等、車両側の着雪防止対策も強化しています。また、車両の台車部を撮影する地上カメラで着雪状況を監視して適切な運転速度としており、駅には車両に付着した雪をすばやく取り除くために高圧洗浄機を設置しています。
運行管理と安全対策
東海道新幹線
Crash Avoidance(衝突回避)の原則
東海道新幹線をはじめとする日本型高速鉄道システムにおいて安全を確保する上での最大の特色は、Crash Avoidance(衝突回避)の原則に基づいた運行管理システムを導入していることです。この原則は、平面交差のない高速旅客鉄道専用の軌道と、高速旅客列車同士の衝突と速度超過を防ぐATCシステム(Automatic Train Control、自動列車制御装置)の2つの仕組みにより、衝突の可能性を排除するという考え方です。
ATCの仕組み
新幹線総合指令所・運行管理システム
東京の新幹線総合指令所では、各指令員が連携しながら、新幹線運転管理システム(COMTRAC※)を中枢とする様々なシステムにより、列車の運転状況や設備の稼働状況等、膨大な情報を的確に把握し、輸送全体の統制と万全の安全管理を行うことで、新幹線の安全・安定輸送を支えています。また、東京の総合指令所と同じ機能を持ち、同指令所が被災した場合に代替の指令所として機能する新幹線第2総合指令所をJR西日本と共同で大阪に設置し、異常時に対する危機管理体制を強化しています。
COMTRAC 列車の進路制御、列車の運転管理、乗務員(運転士、車掌)と車両の運用管理等を行うシステム。コンピュータに入力された各列車の運転条件(各駅の発着時刻、発着番線、列車順序等)に基づき、運行中の全ての列車状況を常時監視することができる。
「新幹線電気・軌道総合試験車(通称:ドクターイエロー)」
架線等の電気設備や線路等の地上設備の状態を点検する車両として、「新幹線電気・軌道総合試験車(通称:ドクターイエロー)」を導入しています。700系をベースにしたこの車両は、270km/hで走行しながら高精度に効率良く点検を行い、安全・安定輸送を支えています。
在来線
ATS-PT(自動列車停止装置)
在来線では、ATS-PTにより、列車から信号機や曲線、分岐器までの距離に応じて連続的に速度を照査し、列車が安全な速度を超えるおそれのある場合には自動的に非常ブレーキをかけることで、安全を確保しています。ATS-PTは、当社の在来線全線区へ導入されています。
ATS-PTの機能
東海総合指令所(名古屋)・静岡総合指令所・運行管理システム
在来線の運行管理は、東海総合指令所(名古屋)及び静岡総合指令所が担っています。両指令所では、各指令員が相互に連携しながら、CTC(列車集中制御装置※)等の様々なシステムにより、列車状況や設備の稼働状況等、膨大な情報を的確に把握し、輸送全体の統制と万全の安全管理を行うことで、在来線の安全・安定輸送を支えています。
CTC列車運行を効率的に管理するため、駅等の信号設備を一括して遠隔制御すると同時に、列車の運行状況をリアルタイムで監視する機能を持った装置
「軌道・電気総合試験車(通称:ドクター東海)」
在来線の軌道・電気設備の保守管理については、「軌道・電気総合試験車(通称:ドクター東海)」により、効率的かつきめ細やかに設備の維持・管理を実施しています。
社員の安全確保に向けた取組み
社員の安全確保も重要な課題であり、労働安全衛生法に基づいて社内規程を定め、安全衛生管理体制を整備しています。各業務機関等においては、安全管理者、衛生管理者等を選任するとともに、業務における安全確保や職場の衛生管理に関して体制を整備し、きめ細やかな安全衛生診断を実施するなど、労働災害防止や作業環境の改善に積極的に取り組んでいます。また、全社をあげて安全衛生教育を推進しており、新入社員全員に対して総合研修センターで初任者安全衛生教育を実施するほか、業務の内容や役割、階層に合わせ、総合研修センターや各現場において、法令・規程等に関する座学教育に加え、器具や道具の使い方や労働災害の模擬体感等、必要な実技訓練による安全衛生教育を実施しています。このほか、安全を支える「人・しくみ・設備」の3つの柱について、現在の弱点やリスクを把握し改善することで、より安全な仕事を実現する「もっと安全!運動」の展開、事故防止に係るイラスト・写真・標語の募集等を通じた運転事故防止及び労働災害防止に関する社員の意識啓発等、様々な活動を進めています。
安全関連データ集
鉄道運転事故の発生状況※1,2
- ※1 鉄道運転事故
列車事故:列車の衝突、脱線、火災事故
踏切障害事故:踏切において列車または車両と歩行者または自動車等とが衝撃したもの
鉄道人身傷害事故:列車または車両の運転により人の死傷を生じたもの
鉄道物損事故:列車または車両の運転により500万円以上の物損を生じたもの - ※2 鉄道運転事故のほぼすべてが当社起因によらないもの
- ※3 インシデント 鉄道運転事故等が発生するおそれのある事態
輸送障害の発生状況
輸送障害鉄道運転事故に該当しないもので、列車の運転を休止したもの、または、旅客列車が30分以上(旅客列車以外の列車は1時間以上)遅延したもの
労働災害の発生状況(当社・関係会社)
熱中症を除く
- 熱中症を除く
- 鉄道輸送業務に関わる工事・作業において発生した労働災害を計上