平成24年(5月~9月)、平成25年(5月~7月)の説明会における主なご質問

Q:中央新幹線を建設する意義・目的を教えて下さい。

  • 東海道新幹線は開業後48年が経過しており、将来の経年劣化や大規模災害に対する抜本的な備えとして、中央新幹線を早期に実現させることにより、東京・名古屋・大阪を結ぶ日本の大動脈輸送の二重系化が必要です。
  • 中央新幹線は、超電導リニアにより実現していきますが、超電導リニアの高速性による時間短縮効果によって、日本の経済及び社会活動が大いに活性化することが期待できると考えています。
  • また、中央新幹線開業後の東海道新幹線については、東京・名古屋・大阪の直行輸送が相当程度中央新幹線に移り、現在の東海道新幹線の輸送力に余裕ができることを活用して、「ひかり」「こだま」の運転本数を増やすなど、現在とは異なる新しい可能性を追求する余地が拡大します。
  • なお、交通政策審議会の答申では、以下の通り中央新幹線の効果や意義が記載されています。

参考

交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会
「中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定について」答申(平成23年5月12日)
[2.中央新幹線の意義について]より抜粋

  • 三大都市圏を高速かつ安定的に結ぶ幹線鉄道路線の充実 我が国の三大都市圏(東京圏、名古屋圏及び関西圏)は、世界でも有数の人口集積地域であり、これまで主として東海道新幹線が担ってきた三大都市圏間の高速かつ安定的な旅客輸送は、我が国の国民生活及び経済社会を支える大動脈の中でも最たるものである。中央新幹線の整備は、速達性向上などその大動脈の機能を強化する意義が期待されるのみならず、中央新幹線及び東海道新幹線による大動脈の二重系化をもたらし、東海地震など東海道新幹線の走行地域に存在する災害リスクへの備えとなる。今般の東日本大震災の経験を踏まえても、大動脈の二重系化により災害リスクに備える重要性が更に高まった。
    また、東海道新幹線の施設の将来の経年劣化に適切に対応するため予定されている大規模改修工事についても、中央新幹線の整備により施工手順の選択肢が増え、東海道新幹線の運行に及ぼす影響を低減することが可能となる効果が期待される。
    このように、中央新幹線の整備は、三大都市圏間の高速かつ安定的な旅客輸送を中長期的に維持・強化するものであり、国民生活及び国家経済にとって極めて重要である。
  • 三大都市圏以外の沿線地域に与える効果 中央新幹線の整備は、三大都市圏以外の沿線地域においても、三大都市圏とのアクセス利便性を向上させ、地域が主体的かつ戦略的な活性化方策を実施することとあいまって、地域振興に寄与することが期待される。例えば、豊かな自然に恵まれた地域特性を活用し、大都市圏から容易に大自然に触れる機会を提供する自然型観光都市や環境モデル都市などとして、独自性と先進性の高い地域づくりを進める機会をもたらすものと期待される。こうした挑戦的な取り組みが地域の魅力を向上させ、さらには我が国の国際的なアピールにもつながるものと期待される。
  • 東海道新幹線の輸送形態の転換と沿線都市群の再発展 中央新幹線が整備され、東海道新幹線の「のぞみ」型の旅客輸送が担っている輸送ニーズの多くが中央新幹線に転移することにより、東海道新幹線のサービスも相対的に「ひかり」・「こだま」型を重視した輸送形態へと変革することが可能となり、現在「のぞみ」型が停車しない駅における東海道新幹線の利用機会を増加させるほか、新駅の設置などの可能性も生じ、東海道新幹線利用者の利便性向上及び東海道新幹線沿線地域の活性化に寄与することが期待される。
  • 三大都市圏を短時間で直結する意義 超電導リニア方式を採択した場合、中央新幹線の整備によって三大都市圏は相互に約1時間で結ばれ、我が国の人口の約半数(6,000万人)が含まれる世界にも類例のない巨大な都市集積圏域が形成されることとなり、三大都市圏それぞれが地域の活性化方策を適切に進めることとあいまって、我が国の国土構造を変革するとともに、国際競争力を大きく向上させる好機をもたらすものと期待される。
    また、移動時間の大幅な短縮により、交流の機会及びライフスタイルの転換の可能性が拡大することも期待される。
  • 世界をリードする先進的な鉄道技術の確立及び他の産業への波及効果 超電導リニア方式は、我が国が独自に開発してきた高速鉄道技術であり、同方式による中央新幹線の整備は、高速鉄道のイノベーションとして、世界的に我が国の鉄道技術を発信するとともに、周辺産業の活性化にも大きく寄与する可能性がある。さらに、国民に技術立国としての自信・自負と将来社会への大きな希望を与えることも期待される。

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